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发表于2024-11-26
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宋代明州の代表的研究として、斯波義信氏の『宋代江南経済史の研究』(汲古書院、二〇〇一年)が挙げられる。本書は江南諸都市を経済史的に解剖し、諸都市を取り巻く後背地などの経済領域なども考察対象とし、時代も通史的に扱われており、都市研究の金字塔である。明州(寧波)に関しては、明州城を中心とする地域空間の経済統合を宋代から十九世紀にかけて分析し、また清末の明州城内を復元した。しかしながら、宋代明州城の都市空間の復元はされておらず、その空間分析もまだまだ進めることが可能である。また明州城は海外国との貿易・外交の玄関口として機能したが、その点の考察も課題として残っている。
二〇〇五年度から二〇〇九年度までの五年間、科学研究費による特定領域研究「東アジアの海域交流と日本伝統文化の形成――寧波を焦点とする学際的創生――」が執り行われた。この研究は、寧波に焦点を当てて十世紀から十九世紀にいたる東アジア海域の様々な交流の諸相を明らかにし、日本の伝統文化形成を考察しようとするものであり、歴史学のみならず、自然科学など様々な学問分野の研究者が内外問わず参画し、膨大な研究成果を生み出した。
……にんプロがまさしく寧波に焦点を当てているので、寧波にまつわる研究が多く残されることになったが、宋代海港都市明州(寧波)の都市空間の復元・解剖、人口構成といった研究はなされなかった。また明州に焦点を当てた貿易のあり方や都市構造との関連、くわえて明州を通じた外交交渉といった課題は、にんプロの末席に参加させていただき、かつその余波で研究を進めてきた著者の課題でもあった。本書はその学恩に対して、ほんのわずかであるが報いんとするものである。
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