序 章
第一節 地域社會論の成果と課題―求められる村役人の資質―
第二節 リテラシー研究の批判的検証と職能的識字能力
第三節 史料論の再検討―分割管理と認識論―
第四節 新たな研究資源の開発①―地域〈知〉の集約版としての「村の編纂物」―
第五節 新たな研究資源の開発②―體係化された地域〈知〉としての蔵書―
第六節 本書の構成
第一章 名主の村運営と編纂事業―編纂意図の変遷と特質―
はじめに
第一節 編纂物とそれを取り巻く環境
第二節 編纂事業の変遷と時期區分
第三節 編纂物の機能と意義
おわりに
第二章 訴願〈知〉の再構築と編纂事業
はじめに
第一節 西方村舊記の構造と性格
第二節 編纂事業の歴史的背景
第三節 訴願〈知〉としての免除論理の再構成
第四節 訴願〈知〉の知識構造
おわりに
第三章 地域の課題解決と編纂物―地域史の共有と郡中一和―
はじめに
第一節 『河嶋堤桜記』の構造と特質
第二節 川島領治水史の再構築
第三節 地域の自己認識
第四節 不穏な地域情勢と郡中一和
第五節 近代における共同體意識の相剋
おわりに
第四章 地域情報の共有と編纂物文化
はじめに
第一節 地域情報の蒐集事業
第二節 地域情報の共有と特質
第三節 編纂物文化の展開
おわりに
第五章 村役人の資質形成と書籍受容の特質
はじめに
第一節 書籍の入手方法の多様性・複閤性
第二節 編纂物での書籍利用の特質
第三節 地域〈知〉の構築と書物〈知〉
おわりに
第六章 日本近世における村役人の資質と文字文化
はじめに
第一節 村役人の資質と〝算筆文言〟
第二節 江戸の町政機構と算筆能力
第三節 資質の再生産と地域教育
おわりに
第七章 地域社會における蔵書の構造と特質―蔵書目録から地域〈知〉を読み解く―
はじめに
第一節 近世地域社會における蔵書
第二節 地域〈知〉の構築と「村の編纂物」
第三節 西袋村名主小澤豊功の二つの蔵書目録
おわりに
第八章 組閤村文書の分割管理と文書認識―地域情報の共有と蔵書構築の基盤―
はじめに
第一節 奈良堰十ケ村用水組閤と文書管理
第二節 地域情報の共有と文書認識
第三節 名主傢文書目録の編成・記述と標準化
おわりに
第九章 近世蔵書文化論
はじめに
第一節 書籍研究の現狀と課題
第二節 近世蔵書文化論を考える
第三節 近世地域社會における蔵書とはなにか
おわりに
終 章 近世蔵書文化論の成果と展望
1 村役人に期待された算筆能力
2 地域情報の分割管理と共有意識―公論世界の地域的基盤―
3 情報としての書籍の受容
4 「村の編纂物」と編纂物文化
5 「村の編纂物」の広がり―多様性と多國間比較―
6 近世蔵書文化論―近世社會特有の〈知〉の構造―
7 地域〈知〉の構造
8 地域〈知〉の再生産と地域教育
9 地域観の生成と編纂物―地域文化の基盤形成―
あとがき
初齣一覧
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收起)