自然と本能のまえにとまどう異星生物のライフサイクルを、斬新なスタイルで描き、1973年度ネビュラ賞に輝く表題作ほか、コンピュータによって他人の肉体とつながれた女の悲劇を通して、熾烈な未来社会をかいま見せ、1974年度ヒューゴー賞を獲得したサイバーパンクSFの先駆的作品「接続された女」、ユカタン半島に不時着した飛行機の乗客が体験した意外な事件を軸に、男女の性の落差を鋭くえぐった問題作「男たちの知らない女」など、つねにアメリカSF界の話題を独占し、注目をあつめつづけたティプトリーが、現代SFの頂点をきわめた華麗なる傑作中短篇全12篇を結集!

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収録作

「すべての種類のイエス」 "All the Kinds of Yes" 1972 NEW DIMENSION II 初出時の原題　"Filomena & Greg & Rikki-Tikki & Barlow & the Alien"

「楽園の乳」"The Milk of Paradise" 1972 　AGAIN,DANGEROUS VISIONS

「そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見い出した」 "And I Have Come Upon This Place by Lost Ways" 1972 NOVA 2

「エイン博士の最後の飛行」　"The Last Flight of Doctor Ain" 1969 GALAXY

「アンバージャック」　"Amberjack" 1972 GENERATION

「乙女をもて見るがごとくおぼろなり」 "Through a Lass Darkly" 1972 GENERATION

「接続された女」　"The Girl Who Was Plugged In" 1973 NEW DIMENSION III

「恐竜の鼻は夜開く」"The Night-blooming Saurian" 1970 WORLDS OF IF

「男たちの知らない女」　"The Women Men Don't See" 1973 THE MAGAZINE OF FANTASY AND SCIENCE FICTION

「断層」"Fault" 1968 FANTASTIC

「愛はさだめ、さだめは死」　"Love Is the Plan, the Plan Is Death" 1973 THE ALIEN CONDITION

「最後の午後に」"On the Last Afternoon" 　1972 AMAZING STORIES

ジェイムズ・ティプトリー・Jr.（James Tiptree, Jr.、女性、1915年8月24日 - 1987年5月19日）はアメリカ合衆国の女流作家。SF作家。本名はアリス・ブラッドリー・シェルドンで、別ペンネームとしてラクーナ・シェルドン（Racoona Sheldon）。

受賞歴

1973年 - 『愛はさだめ、さだめは死』でネビュラ賞を受賞。

1974年 - 『接続された女』でヒューゴー賞を受賞。

1976年 - 『ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか？』でヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞。

1977年 - 『ラセンウジバエ解決法』でネビュラ賞を受賞。（ラクーナ・シェルドン名義）

1985年 - 『たったひとつの冴えたやりかた』でローカス賞、星雲賞海外短編部門を受賞。

1987年 - 『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』で世界幻想文学大賞を受賞。

2000年 - 『星ぼしの荒野から』で星雲賞海外短編部門を受賞。

2008年 - 『輝くもの天より堕ち』で星雲賞海外長編部門を受賞。