明代の性理学の展開を社会史的・哲学的角度から分析。科挙関連の知的営為が、明代思想史を動かす重要な要因素であることを実証的に解明する。
導論―明代の科挙と性理学
挙業盛んにして聖学亡ぶ 清初人士の明学観/永楽の三大全と「成説」に対する両面的評価
明代の科挙制度と科挙関連文献 試験科目と郷試考官/試験答案の史料的価値
明代思想史研究と「心外無事」の論理
Ⅰ 大全と程策
第一章 『性理大全書』の書誌学的考察
注釈書の誕生とその成長―集覧から補註・集釈へ/増注版の安定化―新刊性理大全/大全書受容の学術史的背景
第二章 明代科挙「性学策」史―程策の展開を中心に
標準の形成と「成説」の尊重/博学と自得の両立/理論的可能性の探求
Ⅱ 考試と督学
第三章 明朝各省郷試事略―考官選定基準の変遷とその背景
天順以前/成化・弘治期/正徳以降
第四章 明朝提学官物語
提学官像の形成とその展開/督学理念の再検討/思想闘争の最前線
Ⅲ 挙業と徳業
第五章 湛若水「二業合一」論とその思想史的位置
「二業合一」論とその思想史的前提/「二業合一」論の反響
第六章 王門欧陽徳の学問とその会試程文
従学・登第・就職/南京国子監司業/帰郷・講学・復職
第七章 提学官王宗沐の思想活動
広西提学官時代/江西提学官時代
あとがき/索引(人名索引・書名索引)
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收起)