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あくまでの初心者向けの手引きだけなので、マニアの方にとっては、ちょっと足りない気がするかもしれないと思うが、各方面から論述を展開することによって江戸の色道をすこし垣間見ることもできる。究極の恋はいつも死に向かわざるを得なく、愛のために死ぬことこそ恋なのではないか。そうならば、心中はまさに最高の恋ならずや。現代の視点から見れば、江戸の恋愛感覚はかなり次元が違う、男女の恋より、男同士の契りがもっと重視されることはそのひとつ。実際、武士の殉死も心中のイメージと重なっているなので、やはり衆道の世界をぬきにしては江戸の恋も理解不能になる。

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